実技訓練レポート

  • 2015/12/16

    【アリゾナ】「ファーストフライトを終えて」 7期生 宮島玲雄さん

     フライト当日、まずは天候を確認しPre Flightに向かった。待ちに待った初フライトに胸を躍らせながらチェックリストに従って機体を確認した。Pre Flightを怠れば無事には帰れないと自分に言い聞かせ、早く飛びたいと焦る自分を抑えて念入りに行った。すべてのチェックリストを終え、座席に身を乗せた時、これから本当に空に飛ぶのだという実感が湧いてきた。初日にも関わらず、エンジンスタートを体験した。最初、チェックリストの内容を声に出すことに抵抗を感じていたが、項目をこなしていくうちに慣れ、楽しく感じる自分がいた。エンジンが始動するとともに轟音が響き、鳥肌が立った。
     人生初めてのTaxingでは左右にふらつき、機体が自分の言うことを全然聞いてくれていないようであった、しかし要領をつかんでセンターライン上を維持できた時、機体と自分が意思疎通して一体化したような感覚になった。滑走路に入ると、想像以上に滑走路の幅が広くて驚いた。離陸滑走を始めると体が座席に押し付けられ、次第に機体の風切り音が大きくなり興奮して心拍数が上がるのを感じた。また速度が上がるにつれ、この速度で万が一のことがあったら助からないなと感じ、怖くなった。教官が操縦桿を引くと今まで感じていた振動が急に無くなり機体が宙に浮くのを感じとることができた。それと同時にこみ上げる涙をこらえ、ここまでの道のりがもの凄く長かったが、頑張ってきてよかったと切実に感じた。
     訓練空域へ向かうにつれ街や車がどんどん小さくなり、あたり一面真っ青な空になり、まるで別世界にいるような不思議な感覚に見舞われた。何度か横風や上昇気流を受けて翼が上下にしなるを見て、どうか折れないでくれと手に汗を握りながら祈った。景色、感じるG、すべてが初めてだったので私はまばたきを忘れるくらい頭が真っ白になっていてYou have controlと言われ我に返った。
     操縦桿を動かすと、その指示にゆっくりと反応し始める機体の感覚が伝わり本当に自分が操縦しているのだと実感した。フライトシミュレーターで基本操作は体験し、要領は分かっていたが、シミュレーターでは感じることのできなかった臨場感や心拍数の増加を初めて体験することができた。自分が操縦している間も教官は様々なチェックリストをこなし、いつかそれら全てをこなす成長した自分の姿があると想像すると、これからの訓練が楽しみで仕方がなかった。
     訓練を終え、空港にアプローチしている際、高度が下がるにつれ想像以上に街が大きく見えたので、再びどうか墜ちないでくれと心の中で祈っていた。車輪が滑走路についた瞬間に一気に緊張がほぐれて無事に帰ってこれたのだという実感が湧いた。Taxiを終え駐機場で飛行機を止め、降りた時にはなぜか足が少し震えていた。冷たくなった翼を触って、この機体と本当に空に行ったのだと改めて実感した。 
     今回の初フライトを終え、1年半という長い座学を乗り越えて本当によかったと感じ、残りの訓練を存分に楽しんでやるという決心がついた。